有言実行する

くじける自分

有言実行という意味の言葉が
サンスクリット語でもあります。
「アールジャヴァム」という言葉です。
スワミジが来日された時のWSで、
アールジャヴァム
(思考、言葉、行動が一致していること)
についてのお話がありました。
一言で言えば有言実行なのですが、
「やる!」と決めたことをやらなければ、
やらなくてはいけないと分かっている自分と、
やらなかった自分に矛盾と葛藤が生まれると言うことです。
その矛盾と葛藤は精神的な道に進むうえでの障害になります。
バガヴァッドギーターの中では17章で、
身体に関するタパス(規律)で教えられています。

例えば「明日から、早起きして瞑想してアーサナの練習をしよう!」と決めます。
しかし、朝になるとアラームを消して再び寝てしまうことや、やっぱり明日からにしよう!
と先延ばしにすることなどです。
ちなみに、「この明日はずっと明日まま」とスワミジはお話されていました。
瞑想やアーサナの練習だけではなく、
ダイエットは明日から~の人も多いのではないでしょうか?

決める前に1度よく考える

決めたことは実行すると言うことですが、
決める前に良く考えてからという注意点があります。
例えば仕事を決める時に、
この仕事のこの点は自分に向いていそうだけど、
この点は自分に向いていなさそうとか、
お給料は良さそうだけど、
残業多そうとか、
何事もむやみやたらに決めるのではなく、
ある程度想定出来る範囲で
想定した上で決めましょうということでした。

もちろん想定外のことは沢山あるかもしれません。
しかし、何も想定しないで仕事を決めたり、
自分にとって良い点だけを想定していると、
マイナスな点があった時に
とてつもなくがっかりしたりするものです。
なので、マイナス面もしっかり予想しましょう。
言った以上は実行するというのであれば、
ある程度リサーチが必要です。
そして、この仕事をしますと
会社と契約をするわけですから、
契約した以上はしっかりと実行しなくてはなりません。

なぜ、このようなことが
バガヴァッドギーターの中で教えられているかと言うと、
日常の中に規律のある生活を送ることがヨーガなのです。
気が向いた時にアーサナやプラーナーヤーマや
瞑想の練習をすることだけがヨーガではありません。
そして、この規律はどのようなことが起こっても
実行するということです。

朝にアーサナの練習をすると決めたけど、
「前の日に飲み会に参加して帰宅が遅くなったから今日はお休みしよう」
などという言い訳をしないことです。
一度でも今日は特別を作ってしまえば、
毎日言い訳するようになってしまいます。
逆に、早起きしなくてはならないのだから、
飲み会を早めに抜け出して、
早めに帰るように努めなくてはなりません。
もしくは、そういう場合もあることを想定して、
最初から無理な計画を立てないことです。
無理な計画を立てて、すぐに挫折するのであれば、
確実に出来そうな計画を立てて、確実に実行し、
自信をつけていくのも有効な手段です。
一度習慣になれば、
少しずつ時間を早めるなどは自然に出来るはずです。
それが楽しい、爽快と感じられていくようになることもとても重要です。

このようなお話でWSを終えました。
日本で移動する時は、
電車、バスを利用するので、
スワミジと電車で帰宅していました。
日本の電車には中刷り広告が沢山あるので、
スワミジは何の広告なのかを聞いてきます。
インドの電車やバスやタクシーには
中刷り広告というものは一切ないので、
沢山の広告に驚いていました。
そこにNIKEの広告がありました。
NIKEのキャッチフレーズはJUST DO IT!ですが、
まさにWSでこの話をしたばかりだったので、
思わず「確かにJUST DO ITだけど、
下にBEFORE YOU THINK TWICE
(その前に2回考えよう)を足したほうがいいよね」
と笑っていました。

学んだ事を生かす

ヨーガの学びを始める前と、
始めた後で、何の変化も起きなければ、
学ぶ意味はありません。
ヨーガの学びは聞いて終わりではありません。
教えられていることを自分に照らし合わせて、
教えに沿っているのかを常にチェックしなくてはなりません。
常に無意識だった部分を意識的に考え、
行動に移すことがヨーガです。
「聞いて、言葉の意味は理解しました」
「教えは教えだけど、私は私のままでいいと思います」
と言うようでは学んだ意味がありません。

確かに厳しいこともあります。
けれども、それを1回乗り越えてしまうと、
心身共に快適になります。
習慣化することは初めに大きな努力が必要かもしれません。
けれどもその努力をしなければ今のままです。
その努力を励ますために
聖典は何度も何度も教えてくれるのです。
「1度言いました、もう理解しましたよね?」とは言いません。
スワミジは「No pain No gain(苦無くして得るものはない)」ともお話されます。

何度も繰り返し、継続して学ぶことは、
問題が起こった時に少しずつ上手く対処出来るようになったり、
自己反省して次回から気を付けることが出来るようになったり、
日常生活の中で生かされることは沢山あります。
ヨーガは特別な誰かの為のものではなく、
本来は一般人こそ深く学ぶべきものなのです。
(皆、幸せになりたいと思っているのだから)
また、そのような教えが子供のうちから聞けるような環境になれば素晴らしいと思います。


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山本友子 -Tomoko Yamamoto-

【Yoga space side-A 哲学担当】
1年の半分はスワミジと共に生活し、インドにて指導者養成講座やリトリートの企画、オンラインクラスを開催中。
スワミジの真っ直ぐで伝統あるヴェーダーンタの「学び」をシェアしながら、心身の健康、幸せを教えるインドの伝統の教えが、日本にも浸透することを願っている。

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