人間関係とは?

「あの人」が幸せの源になるか?

人間は社会性を持つ動物です。
社会の中で、誰かと一緒に生きていくことで
関係性が生まれます。
関係性は短かったり、長かったり、親しかったり、
表面的であったり、激しかったり、
与えられているもの(両親、兄弟など)があります。
これらの中には、天国のような関係性や、
地獄のような関係性があると思います。

聖典では、
人間関係は絶対に幸せの道具にはならないと言っています。
一般的には、褒めてくれる人、
一緒にいて楽しい気持ちになる人、
幸せな気持ちになる人と関係性を築きたいと思います。
しかし、ここでいう一般的な幸せには沢山の要素が必要です。
特定のその人だけに起因しているわけではありません。
もし、その人と一緒にいて「楽しい、幸せ」と思っても、
灼熱の砂漠に2人になった時、
水も食べ物も日陰も無く、
生きるか死ぬかの状態で同じように幸せと思うでしょうか?
「なんでこんな所に来たのか?」
来る前までは楽しみにしていたのに
「私は来たくなかったのに」
「やっぱり来なければよかった」などと言ってしまわないでしょうか? 逆に同じ人と、
ハワイのような快適な場所で、
事件や事故も無い平和な時には幸せと思うかもしれません。
同じ人といても、
灼熱の砂漠とハワイにいる時に同じような
幸せを感じるわけではありません。
この幸せは状況に起因しています。では、快適なハワイにいて、
歩き疲れて、お腹もすいてきました。
時間も遅くレストランは閉まっていて
お店も開いていません。
その人が持っていた最後のバナナを1人で食べてしまったらどうでしょう?
「なぜ、私にくれなかったのか?」と思うでしょう。
バナナをくれたとしても、
「有名レストランの○○が食べたかったのに!」と思うかもしれません。
でも、その人が最後のバナナを食べる前に
「バナナを食べる?」とか
「半分にして食べようか?」と聞いてくれていたらどうでしょう。
この人はなんて優しい人なのだろう。
「あなたが食べていいよ」と言えるかもしれません。

ここで言いたいことは、
「幸せとは人に依存していない」ということです。
砂漠だろうが、ハワイだろうが、バナナだろうが、
自分の機嫌が良ければ、そこまで問題にならないことも、
機嫌が悪ければ喧嘩になってしまう、
そして、「とても幸せとは感じられない」ということです。
一般的にいう幸せとは「その人」だけでなく、
状況や自分の機嫌さえも関わってくるので、
誰かに幸せを求めると大変なことになります。

結婚は何の為?

これは、誰かとのお付き合いや結婚を否定しているわけではありません。
聖典でも結婚生活は自己成長の為と言います。
結婚生活のみではなく、
人間関係とは自己成長の為なのです。
人間関係を幸せの為と捉えるのではなく、
人間としての内面的成長をもたらし、
健全な人生を歩むうえで、
必要な忍耐力を養う為と知りましょう。
自分にとって常に完全な人はいません。
常に完全な状況はありません。
どんなに望ましい状況に置かれても、
人間は飽きてしまいます。
聖典では、天国でさえも飽きてしまうと言います。

人間関係を、自己成長の為と捉えていれば、
苦しい時にどのように振舞うことが自己成長につながるのかは、
おのずと判るのではないでしょうか?
何でもすぐに投げ出すのではなく、
気持ちを落ち着かせよく考え、
頼れる人に相談するなど出来ることをしてみましょう。

批判した指を自分に向けてみる

スワミジが来日していた時に、
生徒さんからの質問に対して、
このようにお答えしていたことがあります。
「私は真っ当に仕事をしているのに、
そうでない人に対してどのように接すれば良いのでしょうか?」
という質問に対して、
「この人、と指した指を自分に向けてみて」という答えでした。
「あの人が○○だ、と批判することは簡単です。
自分と意見が違うことや、守るべきことを守らない人がいる、
そういう状況はよくあります。まず自分を振り返ってみてください。
その人の為に何が出来るか、その人は何か他の問題を抱えていて、
その人もいっぱい、いっぱいなのではないか?
そのように考えてみることも出来るのでないでしょうか?
忙しい中、そんなことまで気持ちが向かないかもしれませんが、
そのようにちょっと寄り添ってみる、ということも必要なのでは?」という答えでした。
もちろん、色々試しても無理な場合は上司に相談したり、
周りの人に聞いてみたり、出来ることをして、
どうしても無理な場合には距離を置くという手段もありますし、
どうしても無理なら職場を変えることもありでしょう。
しかし、いつも自分の望み通りの環境ではないので、
職場を変えたり、付き合う人を変えたりすることが
根本的な解決法ではないことを理解しなくてはなりません。
何も続けられない場合や、
周りの問題点ばかりが気になる時には、
まず、このような人間関係は自己成長の為!と思って
出来ることを探してみることも大切なことです。
試練を乗り越えられれば、一回り人間的に成長し、
同じような問題が来た時に、次は楽々と乗り越えられるかもしれません。


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山本友子 -Tomoko Yamamoto-

【Yoga space side-A 哲学担当】
1年の半分はスワミジと共に生活し、インドにて指導者養成講座やリトリートの企画、オンラインクラスを開催中。
スワミジの真っ直ぐで伝統あるヴェーダーンタの「学び」をシェアしながら、心身の健康、幸せを教えるインドの伝統の教えが、日本にも浸透することを願っている。

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